目次

last update: 2024/04

スタートアップガイド
OSレス環境用BSPパッケージ
評価ボード:RX72N Envision Kit

MCU:RX72N(32-bit RXv3) / 240MHz

評価ボードの詳細はこちら

開発環境/IDE:Renesas CCRX (e2Studio / CS+)

RX72N Envision Kit

BSP パッケージ内容:

圧縮・解凍emCompress-Embed, emCompress-ToGo
ModbusModbus Master (TCP/ASCII/RTU), Modbus Slave (TCP/ASCII/RTU)
TCP/IPemNet TCP/IPv4, CoAP Client, MQTT Client Publisher / Subscriber, DNS Client, NetBIOS Name Service, FTP Client, TELNET, SNTP Client, emNet driver for RX
セキュリティSSH Secure Shell, SSL / TLS Secure Sockets Layer, emSecure (RSA Sign and Verify)
暗号・サイファーemCrypt PRO (Ciphers, HASH, MAC, Digital Signature, Key Generation, NIST prime curves, random bit generators)
IoT ToolkitHTTP Client, JSON Parser
FileSystememFile FAT32, Encryption, Journaling, Disk Driver (MMC/SD Card, RAMDisk)
評価版サンプルのご依頼


インストール・フォルダ構成

リリースプログラムの「RX72N_EnvisionKit」及び「Windows」フォルダを、開発環境インストール済みのユーザーパソコンのローカルドライブにコピーします。Windowsインストーラは不要です。

[Workspace]
 ├ RX72N_EnvisionKit   .... サンプルプログラム一式
 └ Windows   .............. テスト用PCツール
RX72N_EnvisionKit
 ├ Application ................... テスト用サンプルアプリケーション
 ├ BSP         ................... ハードウエア依存設定、ドライバ
 ├ Config      ................... コンフィグレーション設定、システム依存設定
 ├ EVAL_Libs   ................... SEGGERソフトウエア評価版ライブラリ
 ├ License.txt ................... 評価版ライブラリの利用条件
 ├ .project    ................... e2Studio環境用プロジェクト
 ├ rrx72n_envisionkit_nonos.mtpj ...... CS+環境用プロジェクト
 └ rx72n_envisionkit_nonos.scfg ...... e2Studio FITコンフィグレータ設定

Applicationフォルダ

Application
 ├ Main.c      ...... メインエントリハンドラ
 ├ Console     ...... ログ表示用GUIコンソールプログラム
 └ _Exclude    ...... ※このフォルダはビルド対象外に設定しています
     ├ COMPRESS  .... 圧縮・解凍機能のデモサンプル
     ├ CRYPTO    .... 暗号・サイファー機能のデモサンプル
     ├ FS        .... ファイルシステムのテストサンプル
     ├ IP        .... TCP/IPネットワーク通信機能のデモサンプル
     ├ IOT       .... HTTPクライアント、JSONパーサー機能のデモサンプル
     ├ MB        .... MODBUS MASTER機能のデモサンプル
     ├ SSL       .... SSL 通信機能のデモサンプル
     ├ SSH       .... SSH 通信機能のデモサンプル
     └ SECURE    .... 不正改造・不正量産を防ぐセキュリティソリューション


開発環境

  • ビルド・デバッグIDE環境: Renesas e2Studio Version 2023-10 (23.10.0) / CS+ for CC V8.10.00
  • コンパイラ: CC-RX V3.05.00
  • デバッグツール: RX E2 Lite(オンボード ECN1 USB micro-Bコネクタ)
  • FITコンフィグレーター: Renesas e2studio FIT Version: 9.3.0

BSP設定

RX72N_EnvisionKit
 └ BSP
    ├ BSP.c    ......... ボード上のLEDインターフェースのドライバ
    ├ BSP_UART.c  ...... ボード上のUARTインターフェース(CN8)のドライバ
    ├ BSP_IP.c    ...... LAN/PHYドライバ関連のハードウエア依存の設定・割込みハンドラ
    ├ BSP_MMC_SD.c  .... SDコントローラのハードウエア依存の初期化設定
    ├ Setup    ......... 各ソフトウエアライブラリのハードウエア依存のドライバ設定
    ├ smc_gen  ......... e2StudioのスマートFITコンフィグレータで作成されたBSP
    └ emWin  ........... コンソール用GUIライブラリ(emWin for RX)

クロック設定

ボードのクロック・PLL設定はFITコンフィグレータで行います。

メインクロック:16MHz
FlashIFクロック(FCLK):60MHz
システムクロック(ICLK):240MHz
周辺モジュールクロック(PCLKA):120MHz
周辺モジュールクロック(PCLKB):60MHz
周辺モジュールクロック(PCLKC):60MHz
周辺モジュールクロック(PCLKD):60MHz
外部バスクロック(BCLK):80MHz
USBクロック:48MHz
CLKOUT25Mクロック:25MHz

スマートFITコンフィグレータで作成するコンポーネント

  • Board Support Packages (r_bsp):バージョン 7.41
  • Byte-based circular buffer library (r_byteq):バージョン 2.10
  • CMT driver (r_cmt_rx):バージョン 5.60
  • Generic System Timer for RX (r_sys_time_rx):バージョン 1.01
  • DMAC driver (r_dmaca_rx):バージョン 3.20
  • Drawing 2D Engine driver (r_drw2d_rx):バージョン 1.12
  • GPIO Driver (r_gpio_rx):バージョン 5.00
  • LCD Controller driver (r_glcdc_rx):バージョン 1.50
  • SCI Driver (r_sci_rx):バージョン 4.90
  • Simple IIC Driver (r_sci_iic_rx):バージョン 2.70
  • ポート:バージョン 2.4.1

※スマートFITコンフィグレータ設定内容の確認及び変更する場合は、以下の手順をご参照ください。

  1. e2Studio環境で「.project」プロジェクトを開きます。
  2. プロジェクト・エクスプローラーウインドウ下の「rx72n_envisionkit_nonos.scfg」ファイルを選択してマウスダブルクリックでスマート・コンフィグレータパネルを開きます。
  3. 概要、ボード、クロックなど各タブ項目の設定内容を確認します。

プロジェクトビルド設定:

  • コンパイラ設定のプリプロセッサマクロ定義: DEBUG=1, SEGGER_BUILD_MAXSPEED
  • コンパイラビルドの最適化設定: 最適化レベル2、実行性能重視の最適化(-speed)
  • リンカーセクション設定:
    SU,SI,B_1,R_1,B_2,R_2,B,R,B_8,R_8/04,PResetPRG,C_1,C_2,C,C_8,C$*,D*,W*,L,P/0FFC00000,EXCEPTVECT/0FFFFFF80,RESETVECT/0FFFFFFFC
    0x0000_0004SU, SI, B_1, R_1, B_2, R_2, B, R, B_8, R_8
    0xFFC0_0000PResetPRG, C_1, C_2, C, C_8, C$*, D*, W*, L, P
    0xFFFF_FF80EXCEPTVECT
    0xFFFF_FFFCRESETVECT

プロジェクトビルド方法

評価版パッケージのサンプルプロジェクトはe2Studio環境及びCS+ IDE環境でビルド・デバッグ可能です。

e2Studioプロジェクトのビルド構成:HardwareDebug
CS+環境プロジェクトのビルド構成:HardwareDebug_CS

e2Studio IDE環境でのビルド手順

RX72N_EnvisionKit
 ├ HardwareDebug   ............... 出力フォルダ(e2Studio環境プロジェクト)
 ├ .cproject   ................... e2Studio環境用プロジェクト
 ├ .project    ................... e2Studio環境用プロジェクト
  1. プロジェクトをインポートします
    e2Studioツールを起動して、「ファイル → インポート」コマンドでインポートダイアログを開きます。「既存のプロジェクトをワークスペースへ」を選択して「次(N)」をクリックします。インポートダイアログから「RX72N_EnvisionKit」フォルダを選択して、「rx72n_envisionkit_nonos」プロジェクトを選びます。「完了」ボタンを押してプロジェクトを開きます。
    ビルド構成は「HardwareDebug」を設定します。
  2. アプリケーションを選択します
    プロジェクト設定では「\Application\_Exclude\」フォルダ下のすべてのアプリケーションファイルはビルド対象外に設定しています。動作確認を行うテストサンプルファイルをビルド対象設定の「\Application」フォルダ下にコピーします。
    copy application
  3. プロジェクトをビルドします
    「プロジェクト → プロジェクトのビルド」メニューコマンドでプロジェクトを再ビルドします。正常にビルドできましたら「HardwareDebug」フォルダ下にデバッグ用の実行イメージ及びリンカーMAPファイルなどが作成されます。

CS+ IDE環境でのビルド手順

RX72N_EnvisionKit
 ├ HardwareDebug_CS   ................ 出力フォルダ(CS+環境プロジェクト)
 ├ rx72n_envisionkit_nonos.mtpj ...... CS+環境用プロジェクト
  1. プロジェクトをインポートします
    CS+ for CCツールを起動して、「プロジェクト → プロジェクトを開く」コマンドでRX72N_EnvisionKitフォルダ下の「rx72n_envisionkit_nonos.mtpj」プロジェクトを開きます。
    ビルド構成は「HardwareDebug_CS」を設定します。
  2. アプリケーションを選択します
    プロジェクト設定では「\Application\_Exclude\」フォルダ下のすべてのアプリケーションファイルはビルド対象外に設定しています。動作確認を行うテストサンプルファイルの「ビルド対象外」設定を解除します。
    enable build
  3. プロジェクトをビルドします
    プロジェクトを保存して、「ビルド → リビルド・プロジェクト」メニューコマンドでプロジェクトを再ビルドします。正常にビルドできましたら「HardwareDebug_CS」フォルダ下にデバッグ用の実行イメージ及びリンカーMAPファイルなどが作成されます。

デバッグ・動作確認方法

デバッグツールはオンボード RX E2 Lite を使用します。評価ボードのECN1 USB micro-Bコネクタをパソコンに接続してe2Studio又はCS+ IDE環境からプログラムのダウンロード及びステップ・実行デバッグ操作が可能です。

ハードウエア設定:

評価ボードの SW1 DIPスイッチを以下のように設定します。

  • SW1-1:Off(Ethernet PHY reset)
  • SW1-2:Off(Emulator reset)

e2Studio IDE環境でのデバッグ操作

  1. デバッグ設定を確認します
    プロジェクト・エクスプローラーウインドウからプロジェクトを選択し、「実行 → デバッグの構成」メニューコマンドでデバッグ構成ダイアログを開きます。デバッガ接続設定は「rx72n_envisionkit_nonos HardwareDebug」デバッグ構成を使用します。
    ※ 新規デバッグ構成を作成する場合は以下の手順をご参照ください。
    • 「Renesas GDB Hardware Debugging」構成をマウスダブルクリックして新規デバッグ構成を作成します。
    • メイン → プロジェクトに「rx72n_envisionkit_nonos」を指定します。
    • Debug hardwareに「E2 Lite(RX)」を選択します。
    • Debugger → Connection Settings:
      • メインクロックソース:EXTAL
      • EXTAL 周波数(MHz):16.000
      • 動作周波数(MHz):240.000
      • 接続タイプ:Fine
      • エミュレータから電源を供給する:いいえ
  2. デバッグセッションを開始します
    評価ボードのECN1 USB micro-Bコネクタをパソコンに接続します。
    デバッグ構成ダイアログから「rx72n_envisionkit_nonos HardwareDebug」構成を選択して「デバッグ」ボタンをクリックします。又は、「実行 → デバッグ」メニューコマンドでデバッグセッションを開始します。
  3. プログラムを実行します
    「Renesas Views → デバッグ → Renesas Debug Virtual Console」メニューコマンドでデバッグメッセージを出力するIOコンソールを開きます。プログラムを実行してデバッグコンソールのログ情報から結果を確認します。GUIコンソールインターフェースが有効に設定されている場合は、評価ボードのLCDパネルからIOコンソールの結果情報は確認できます。

CS+ IDE環境でのデバッグ操作

  1. デバッグ設定を確認します
    デバッグ・ツールは「RX E2 Lite」を使用します。デバッグ・ツールの設定内容は以下の通りです。
    • メイン・クロック・ソース:EXTAL
    • メイン・クロック周波数[MHz]:16.000
    • エミュレータから電源供給をする:いいえ
    • 通信方式:FINE
  2. デバッグセッションを開始します
    評価ボードのECN1 USB micro-Bコネクタをパソコンに接続します。
    「デバッグ → ビルド&デバッグ・ツールへダウンロード」メニューコマンドでデバッグセッションを開始します。
  3. プログラムを実行します
    「表示 → デバッグ・コンソール」メニューコマンドでデバッグメッセージを出力するIOコンソールを開きます。プログラムを実行してデバッグコンソールのログ情報から結果を確認します。 GUIコンソールインターフェースが有効に設定されている場合は、評価ボードのLCDパネルからIOコンソールの結果情報は確認できます。

GUIコンソール設定

emWin for RXパッケージ:

GUIコンソール用emWinグラフィックライブラリ及びコンフィグレーション設定ファイルは以下URL(SEGGER社WEB)からダウンロードしましたemWin for RXパッケージを利用します。

https://www.segger.com/downloads/emwin/emWin_RX65N_RX72N_Envision_Kit.zip

BSP
 └ emWin
    ├ Config  ...... LCDドライバ、システム依存コンフィグレーション設定
    └ GUI  ......... GUIライブラリ(GUILib.lib)、ヘッダファイル

emWinプログラムは以下のコンフィグレーション設定を使用します。
カラーモード:4bpp
ビデオバッファ-1:0x00800000 ~ 0x00810FFF
ビデオバッファ-2:0x00811000 ~ 0x00821FFF

File: Config\LCDConf.c (LCDドライバ設定)

#define BITS_PER_PIXEL 4  // Allowed values: 1, 4, 8, 16, 32

File: Config\r_emwin_rx_config.h

#define EMWIN_USE_DRW2D 0
#define EMWIN_GUI_FRAME_BUFFER1       0x00800000
#define EMWIN_GUI_FRAME_BUFFER2       0x00811000

GUIコンソールアプリケーション:

Application
 ├ Console
    ├ GUI_Console.c  .... ログ表示用GUIコンソールプログラム
    ├ GUI_Console.h  .... API定義

アプリケーション初期化後にmainハンドラでConsole_Init()関数を実行してGUIコンソールを起動します。

int main(void) {
   .....
#if 1   /* 0: disable GUI console for Faster performance */
  Console_Init();   /* GUI console setup */
#endif
   .....
  MainTask();   /* run application  */

GUIコンソールを有効に設定されている場合は、プログラム実行処理に負荷がかかります。
GUIコンソール表示が不要になりましたら、以下のようにConsole_Init()関数実行を無効に設定してご利用ください。

File: Main.c

int main(void) {
   .....
#if 0   /* 0: disable GUI console for Faster performance */
  Console_Init();   /* GUI console setup */
#endif
   .....
  MainTask();   /* run application  */

制限事項


  • 評価版パッケージの各ソフトウエアコンポーネントライブラリは「リトル・エンディアン」モードで作成されています。「ビッグ・エンディアン」モード環境での評価を希望されているお客様はご相談ください。
  • 倍精度浮動小数点処理命令を有効にする「-dpfpu」オプションは使用できません。
  • 使用時間制限:ハードウエアリセット後約4時間

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SEGGER's Friendly License (SFL), January 16th 2020

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