目次

last update: 2024/05

スタートアップガイド
OSレス環境用BSPパッケージ
評価ボード:HSBRX113F100

MCU:RX113 (RXv1) / 32MHz

評価ボードの詳細はこちら

OSレス(Baremetal)環境で動かせるデモサンプル

開発環境/IDE:Renesas CCRX (e2Studio / CS+)

HSBRX113F100

BSP パッケージ内容:

圧縮・解凍emCompress-Embed, emCompress-ToGo
ModbusModbus Master (ASCII/RTU), Modbus Slave (ASCII/RTU)
セキュリティemSecure (RSA Sign and Verify)
暗号・サイファーemCrypt PRO (Ciphers, HASH, MAC, Digital Signature, Key Generation, NIST prime curves, random bit generators)
USB-DeviceemUSB Device, BULK, CDC, HID, MIDI, VirtualMSD, Printer Class, USB Driver for RX
評価版サンプルのご依頼


インストール・フォルダ構成

リリースプログラムの「HSB-RX113」及び「Windows」フォルダを、開発環境インストール済みのユーザーパソコンのローカルドライブにコピーします。Windowsインストーラは不要です。

[Workspace]
 ├ HSB-RX113  ............. サンプルプログラム一式
 └ Windows   .............. テスト用PCツール
HSB-RX113
 ├ Application .............. テスト用サンプルアプリケーション
 ├ BSP         .............. ハードウエア依存設定、ドライバ
 ├ Config      .............. コンフィグレーション設定、システム依存設定
 ├ EVAL_Libs   .............. SEGGERソフトウエア評価版ライブラリ
 ├ License.txt .............. 評価版ライブラリの利用条件
 ├ .project    .............. e2Studio環境用プロジェクト
 ├ HSB_RX113.mtpj ........... CS+環境用プロジェクト
 └ HSB_RX113.scfg ........... e2Studio FITコンフィグレータ設定

Applicationフォルダ

Application
 ├ Main.c      ...... メインエントリハンドラ
 └ _Exclude    ...... ※このフォルダはビルド対象外に設定しています
     ├ COMPRESS  .... 圧縮・解凍機能のデモサンプル
     ├ CRYPTO    .... 暗号・サイファー機能のデモサンプル
     ├ MB        .... MODBUS MASTER機能のデモサンプル
     ├ SECURE    .... 不正改造・不正量産を防ぐセキュリティソリューション
     └ USBD      .... USB Device各種クラス機能のデモサンプル


開発環境

  • ビルド・デバッグIDE環境: Renesas e2Studio Version 2023-10 (23.10.0) / CS+ for CC V8.10.00
  • コンパイラ: CC-RX V3.05.00
  • デバッグツール: RX E1
  • FITコンフィグレーター: Renesas e2studio FIT Version: 9.3.0

BSP設定

HSB-RX113
 └ BSP
    ├ BSP.c    ......... ボード上のLEDインターフェースのドライバ
    ├ BSP_UART.c  ...... ボード上のUARTインターフェース(SCI0)のドライバ
    ├ BSP_USB.c   ...... USBコントローラのハードウエア依存の初期化設定・割込みハンドラ
    ├ Setup    ......... 各ソフトウエアライブラリのハードウエア依存のドライバ設定
    └ smc_gen  ......... e2StudioのスマートFITコンフィグレータで作成されたBSP

クロック設定

ボードのクロック・PLL設定はFITコンフィグレータで行います。

メインクロック:8MHz
FlashIFクロック(FCLK):32MHz
システムクロック(ICLK):32MHz
周辺モジュールクロック(PCLKB):32MHz
周辺モジュールクロック(PCLKD):16MHz
USBクロック:48MHz

スマートFITコンフィグレータで作成するコンポーネント

  • Board Support Packages (r_bsp):バージョン 7.41
  • Byte-based circular buffer library (r_byteq):バージョン 2.10
  • CMT driver (r_cmt_rx):バージョン 5.60
  • ポート (CONFIG_PORT):バージョン 2.4.1
  • SCI Driver (r_sci_rx):バージョン 4.90

※スマートFITコンフィグレータ設定内容の確認及び変更する場合は、以下の手順をご参照ください。

  1. e2Studio環境で「.project」プロジェクトを開きます。
  2. プロジェクト・エクスプローラーウインドウ下の「HSB_RX113.scfg」ファイルを選択してマウスダブルクリックでスマート・コンフィグレータパネルを開きます。
  3. 概要、ボード、クロックなど各タブ項目の設定内容を確認します。

FITコンフィグレータ設定(変更内容)

  • User stack size = 0x1000
  • Interrupt stack size = 0x400
  • PORT1 P12、P13 = GPIO出力
  • SCI0 ASYNC UARTモード、Transmit End Interrupt = Enable

プロジェクトビルド設定:

  • コンパイラ設定のプリプロセッサマクロ定義: DEBUG=1, SEGGER_BUILD_MAXSPEED
  • コンパイラビルドの最適化設定: 最適化レベル2、実行性能重視の最適化(-speed)
  • リンカーセクション設定:
    SU,SI,B_1,R_1,B_2,R_2,B,R/04,PResetPRG,C_1,C_2,C,C$*,D*,W*,L,P/0FFF80000,FIXEDVECT/0FFFFFF80
    0x0000_0004SU,SI,B_1,R_1,B_2,R_2,B,R
    0xFFF8_0000PResetPRG,C_1,C_2,C,C$*,D*,W*,L,P
    0xFFFF_FF80FIXEDVECT

プロジェクトビルド方法

評価版パッケージのサンプルプロジェクトはe2Studio環境及びCS+ IDE環境でビルド・デバッグ可能です。

e2Studioプロジェクトのビルド構成:HardwareDebug
CS+環境プロジェクトのビルド構成:HardwareDebug_CS

e2Studio IDE環境でのビルド手順

  HSB-RX113
   ├ HardwareDebug   .......... 出力フォルダ(e2Studio環境プロジェクト)
   ├ .cproject   .............. e2Studio環境用プロジェクト
   ├ .project    .............. e2Studio環境用プロジェクト
  1. プロジェクトをインポートします
    e2Studioツールを起動して、「ファイル → インポート」コマンドでインポートダイアログを開きます。「既存のプロジェクトをワークスペースへ」を選択して「次(N)」をクリックします。インポートダイアログから「HSB-RX113」フォルダを選択して、「HSB_RX113」プロジェクトを選びます。「完了」ボタンを押してプロジェクトを開きます。
    ビルド構成は「HardwareDebug」を設定します。
  2. アプリケーションを選択します
    プロジェクト設定では「\Application\_Exclude\」フォルダ下のすべてのアプリケーションファイルはビルド対象外に設定しています。動作確認を行うテストサンプルファイルをビルド対象設定の「\Application」フォルダ下にコピーします。
    copy application
  3. プロジェクトをビルドします
    「プロジェクト → プロジェクトのビルド」メニューコマンドでプロジェクトを再ビルドします。正常にビルドできましたら「HardwareDebug」フォルダ下にデバッグ用の実行イメージ及びリンカーMAPファイルなどが作成されます。

CS+ IDE環境でのビルド手順

  HSB-RX113
   ├ HardwareDebug_CS   ....... 出力フォルダ(CS+環境プロジェクト)
   ├ HSB_RX113.mtpj ...... CS+環境用プロジェクト
  
  1. プロジェクトをインポートします
    CS+ for CCツールを起動して、「プロジェクト → プロジェクトを開く」コマンドでHSB-RX113フォルダ下の「HSB_RX113.mtpj」プロジェクトを開きます。
    ビルド構成は「HardwareDebug_CS」を設定します。
  2. アプリケーションを選択します
    プロジェクト設定では「\Application\_Exclude\」フォルダ下のすべてのアプリケーションファイルはビルド対象外に設定しています。動作確認を行うテストサンプルファイルの「ビルド対象外」設定を解除します。
    enable build
  3. プロジェクトをビルドします
    プロジェクトを保存して、「ビルド → リビルド・プロジェクト」メニューコマンドでプロジェクトを再ビルドします。正常にビルドできましたら「HardwareDebug_CS」フォルダ下にデバッグ用の実行イメージ及びリンカーMAPファイルなどが作成されます。

ハードウエア設定

評価ボードにはUARTポート及びUSER LED表示は実装されていません。MODBUS SLAVE用デモサンプルではUARTポートインターフェースとしてRX113マイコンデバイスのSCI0ポート(TXD0=P20、RXD0=P21ピン)を使用します。評価ボードのJ3コネクタのPin-13/14/26にUSB-UART変換アダプタを接続してUARTインターフェースを実装します。

MODBUS用UARTインターフェースドライバ:BSP_UART.c
LEDポートインターフェースドライバ:BSP.c

UARTポートインターフェース・配線:

USB-UART RXRX113 TXD0 P20 (J3 Pin-13)
USB-UART TXRX113 RXD0 P21 (J3 Pin-14)
USB-UART GNDRX113 GND (J3 Pin-26)

LEDポートインターフェース・配線:

LED0RX113 P13 (J1 Pin-1)
LED1RX113 P12 (J1 Pin-2)
UART+LED Wiring

デバッグ・動作確認方法

エミュレータ・デバッグツールはRenesas E1エミュレータ を使用します。「HSB_RX113 HardwareDebug_JLink」デバッグ構成を使用して、SEGGER J-Linkデバッグプローブの接続が可能です。デバッグ構成を作成してその他のエミュレータ・デバッグツールも使用可能です、

評価ボードの「J5」エミュレータインターフェースコネクタ(14-Pin)にRX E1エミュレータを接続してe2Studio又はCS+ IDE環境からプログラムのダウンロード及びステップ・実行デバッグ操作が可能です。

e2Studio IDE環境でのデバッグ操作

  1. デバッグ設定を確認します
    プロジェクト・エクスプローラーウインドウからプロジェクトを選択し、「実行 → デバッグの構成」メニューコマンドでデバッグ構成ダイアログを開きます。デバッガ接続設定は「HSB_RX113 HardwareDebug」デバッグ構成を使用します。
    ※ 新規デバッグ構成を作成する場合は以下の手順をご参照ください。
    • 「Renesas GDB Hardware Debugging」構成をマウスダブルクリックして新規デバッグ構成を作成します。
    • メイン → プロジェクトに「HSB_RX113」を指定します。
    • Debug hardwareに「E1(RX)」を選択します。Target Deviceに「R5F51138」を選択します。
    • Debugger → Connection Settings:
      • メインクロックソース:EXTAL
      • EXTAL 周波数(MHz):8.000
      • 動作周波数(MHz):32.000
      • 接続タイプ:Fine
      • エミュレータから電源を供給する:いいえ
  2. デバッグセッションを開始します
    評価ボードの「J5」エミュレータインターフェースコネクタ(14-Pin)にRX E1エミュレータを接続します。
    デバッグ構成ダイアログから「HSB_RX113 HardwareDebug」構成を選択して「デバッグ」ボタンをクリックします。又は、「実行 → デバッグ」メニューコマンドでデバッグセッションを開始します。
  3. プログラムを実行します
    「Renesas Views → デバッグ → Renesas Debug Virtual Console」メニューコマンドでデバッグメッセージを出力するIOコンソールを開きます。プログラムを実行してデバッグコンソールのログ情報から結果を確認します。

CS+ IDE環境でのデバッグ操作

  1. デバッグ設定を確認します
    デバッグ・ツールは「RX E1」を使用します。デバッグ・ツールの設定内容は以下の通りです。
    • メイン・クロック・ソース:EXTAL
    • メイン・クロック周波数[MHz]:8.000
    • 動作周波数(MHz):32.000
    • エミュレータから電源供給をする:いいえ
    • 通信方式:FINE
  2. デバッグセッションを開始します
    評価ボードの「J5」エミュレータインターフェースコネクタ(14-Pin)にRX E1エミュレータを接続します。
    「デバッグ → ビルド&デバッグ・ツールへダウンロード」メニューコマンドでデバッグセッションを開始します。
  3. プログラムを実行します
    「表示 → デバッグ・コンソール」メニューコマンドでデバッグメッセージを出力するIOコンソールを開きます。プログラムを実行してデバッグコンソールのログ情報から結果を確認します。

制限事項


  • 評価版パッケージの各ソフトウエアコンポーネントライブラリは「リトル・エンディアン」モードで作成されています。「ビッグ・エンディアン」モード環境での評価を希望されているお客様はご相談ください。
  • 倍精度浮動小数点処理命令を有効にする「-dpfpu」オプションは使用できません。
  • 使用時間制限:ハードウエアリセット後約4時間

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